有期労働契約の更新拒絶を含めるべきかについても併せて検討することになっているが、具体像は明らかでない。これが認められることになれば、働き手が異議留保した変更が許されるかどうかの判断は後日になってしか得られないことになるから、実際には、弱い立場にある労働者がこれをのまざるを得ず、その条件で働くことができなければ自ら辞める方向に追い込まれてしまう。これでは異議留保の権利も”絵に描いた餅”になってしまう。
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また、一口に労働条件不利益変更といっても複雑で、人材請負などでは、供給先の勤務シフトにあわせて労働条件を弾力的に変更することが求められるようになっているが、昼間勤務から夜勤への変更に、生活上、まったく応じられないという場合から、賃上げ抜きでは同意できないという場合までいろいろあり得る。それを、ただ変更が許されるかどうかを後日になって第三者が判断して妥当な解決がはかられるとは思えない。すでに、同意できないとした労働者に対する解雇が裁利所で争われてきているが、発注元のニーズにこたえられなければ契約を打ち切られてしまうといった弱い立場にある請負業者に契約変更を認めるとすると、最も弱い立場にある働き手に矛盾がしわ寄せされてしまう。日本ヒルトンホテル事件では、有期契約である以上、異議を留保したうえでの契約の更新はあり得ないとされているが、このようなやり方に法のチェックが及ばず、労働条件不利益変更が無条件で認められることになれば、労働ダンピングの勢いはさらに加速するだろう。